学校法人岩手医科大学理事長の選任について

2024年の圭陵会東京支部総会を、新橋(内幸町)に近い維新號 銀座新館にて執り行います。
下記PDFより内容をご確認のうえ、ご返信ください。

学校法人岩手医科大学理事長 小川 彰 殿(74才)におかれましては、令和6年3月3日(日)午後9時46分に本学附属病院において御逝去されました。謹んでお悔やみ申し上げます。

なお、火葬並びに葬儀は家族及び近親者にて執り行われます。

告別式は学校法人岩手医科大学葬をもって後日執り行われますが、日時等につきましては改めてお知らせいたします。

圭陵会会員 各位
圭陵会

令和6年能登半島地震により、犠牲となられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

また、被災地域の皆様の安全確保と被災された皆様の生活が1日も早く平穏に復することをお祈り申し上げます。

歯学部東京都同窓会主催 R5年度 学術講演会

『前立腺癌とロボット手術』東京国際大堀病院 大堀 理先生(医学部35期卒)

日時: 令和6年2月17日 (土)

         17:00〜18:00(参加費無料)

         18:00〜懇親会あり(5,500円)

場所: GC corporate Center B1F

         東京都文京区本郷3-2-14

*医学部、歯学部、薬学部、看護学部の卒業生対象です。ぜひご参加下さい。

圭陵会学術振興会では、次のとおり令和6年度研究助成金の交付ならびに褒賞について、令和6年度圭陵会代議員会後の総会において授与式を行う予定ですので、多数のご応募をお願い致します。

但し、応募資格者(共同研究者を含む)は圭陵会員に限ります。

※他大学出身者は、圭陵会入会申込書に必要事項を記入し事務局に提出のうえ会費を納入し受理された時点で応募が可能となります。入会申込書は圭陵会事務局までお問い合わせください。

Ⅰ褒賞

1.学術賞

申請資格者①圭陵会員であり申請論文の研究を岩手医科大学の准教授、講師、助教、助手、研究員、大学院生、専門研修医、専攻医又は臨床研修医として行った者。
②論文が共著である場合はその第1著者。
※なお、学術賞の申請者の関係者の中に圭陵会学術振興会選考委員が含まれている場合は同申請の筆頭者でない場合に限り、同選考委員は学術賞の審査に加わることができる。
対象論文本学において行われた研究で、2023年4月~2024年3月までに掲載された論文
※なお、インターネット版又は紙媒体のいずれかが対象年度内に掲載された論文であり、申請は1論文につき1回まで、又1人につき1件とする。
提出書類①申請書(※制限枚数:1枚)
②論文別刷:19部

☆受賞者には表彰状と副賞を授与する。2件の予定。

2.岩手詣学士賞

本学において行われた研究で、国際的に相当の評価を受けた研究に対し岩手詣学士賞を授与する。

申請(推薦)資格者①岩手医科大学の准教授、講師、助教、助手、研究員、大学院生であること。ただし、圭陵会員に限る。
※なお、同一申請者より学術賞と合わせて岩手詣学士賞にも申請があった場合には、それぞれの賞の選考の対象とする。
②国際誌(含テキスト)に引用された英文原著論文が5編以上あること。ただし、英文原著論文は岩手医科大学でなされた研究によるものであること。
③原著論文が共著である場合は、その第1著者。
提出書類①申請書
②欧文の医学、歯学、薬学、その他の教科書またはそれらの専門書(Monograph)ないしは評価の高いそれらの外国雑誌に引用されている論文の別刷またはそのコピー19部
③原著論文を引用している前記教科書、専門書、雑誌の書名(インパクトファクターを明記)、編集者、著者、発行所、発行年、巻、頁と引用箇所の必要充分な範囲のコピー19部(被引用回数を明記のこと)
再申請の禁止岩手詣学士賞は毎年1名に授与するものとし、受賞した者は本賞を再度申請することはできない。

☆受賞者には表彰状と副賞を授与する。1件の予定。

3.特別賞

本学において行われた研究で、国際的に極めて高い評価を受けた研究者に対して、推薦により授与する。

申請(推薦)資格者岩手医科大学の教授、准教授、講師ならびに圭陵会学術振興会。
対象者岩手医科大学の教授、准教授、講師、助教、助手。
申請書類①申請書
②表彰、受賞および雑誌・成書への引用を明記し、それらを証明するコピーを添付すること。

Ⅱ研究助成

1.共同研究助成

申請資格者岩手医科大学の教授、准教授、講師、助教、助手、研究員、大学院生、専門研修医、専攻医、臨床研修医。ただし、圭陵会員に限る。
※なお、共同研究の共同研究者の中に圭陵会学術振興会選考委員が含まれている場合は同選考委員は共同研究助成の審査に加わることができない。
研究者複数であること。共同研究者は申請者の講座・学科等と異なる講座・学科等または異なる学部等の者であることが望ましい。
提出書類申請書(※制限枚数:4枚)
研究期間交付の日から2年以内に研究成果が得られる研究であること。
交付の日から3年以内に研究成果の発表と報告の義務がある。
※上記の義務を完了するまでは、新たな研究助成の研究代表者になることができない。

☆助成金は1件につき100万円、2件の予定。

2.個人研究助成

申請資格者岩手医科大学の准教授、講師、助教、助手、研究員、大学院生、専門研修医、専攻医、臨床研修医。ただし、圭陵会員に限る。
※なお、個人研究者の中に圭陵会学術振興会選考委員が含まれている場合は同選考委員は個人研究助成の審査に加わることができない。
研究者個人による研究であること。
提出書類申請書(※制限枚数:3枚)
研究期間交付の日から1年以内に研究成果が得られる研究であること。
交付の日から2年以内に研究成果の発表と報告の義務がある。
※上記の義務を完了するまでは、共同研究助成の研究代表者、ないしは個人研究の申請者になることができない。

☆助成金は1件につき30万円、2件の予定。

Ⅲその他補足事項

  • 申請用紙は圭陵会事務局(内丸キャンパス入院棟10階)に用意しております。
  • 申請用紙はA4版(紙媒体)で提出して下さい。
  • 共同研究助成金については総額100万円、個人研究助成金については総額30万円の使用内訳を必ず明記して下さい。
  • 応募者の方には選考の過程で、選考委員会において要旨説明・質疑応答のプレゼンテーションをして頂く場合がありますので、予めご承知おき下さい。

令和5年12月1日
圭陵会学術振興会会長 赤坂 俊英
圭陵会学術局局長   眞瀬 智彦

<圭陵会事務局>
内線 7004
FAX 624-8380

赤坂俊英圭陵会長のミッション

我々が岩手医科大学の卒業生(同窓生)であることの誇りを持つことは重要であります。むろん国家試験の成績向上が母校に対する誇りに関与しますが、誇りある学生時代の生活とは、北東を望めば岩手山が鎮座し東に南昌山、北に姫神山、西に早池峰山を望み、矢巾地区の周囲には田園風景が広がる豊かな環境の中で学習は岩手医科大学でしか経験できません。この環境で学んだ各科の講義の先生、実習指導者が必ず思い出に残ります。また、同級生の素晴らし仲間たち、クラブ活動を通じてできた先輩、後輩の仲間たち。このような同級生やクラブの仲間、講義してくれた先生、実習指導者が卒業後も強い絆となって行きますし、その背景に学舎の田園風景が残ります。すなわち各講義も含め各教科教授、准教授、講師陣など指導者は学生に母校愛を持たせる様な教育指導が必要です。


  1. 学生への初年度からの圭陵会活動の周知強化。
  2. 他大学出身教員の圭陵会入会に関する大学への協力要請。
  3. 各学部の入学者確保と国家試験成績向上に向けた大学の取り組み強化と、圭陵会からの支援継続の確認。
  4. 圭陵会院長会・院長協議会の組織内再評価、及び同組織を通じての各学部生と卒業生への研修・就職支援体制の充実。
  5. 卒業生の現況把握の強化と全体的な協力体制の強化。
  6. 圭陵会支部、大学、本部間の相互理解を深め、協力体制を強化するための交流活動の推進。
  7. 各同窓会会則の時代背景に即した見直しと改定/新規策定。

※五十音順に掲載しています。


令和1年度共同研究成果要旨

口腔内病原性細菌のプロトン輸送ATPaseを標的とした創薬アプローチ

動画視聴を希望のかたは、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

生物薬学講座 機能生化学分野

   關谷 瑞樹

生物薬学講座 機能生化学分野

   中西 真弓

生物薬学講座 機能生化学分野

  後藤 奈緒美

微生物学講座 分子微生物学分野

   佐々木 実

■研究成果要旨

 S. mutansS. anginosusなどの口腔内病原性細菌の感染は、齲蝕や歯肉膿瘍などの局所の感染症を引き起こすだけでなく、近年心内膜炎や食道がんのような全身性の疾患の発症にも関与することが指摘されている。同菌は歯垢や上部消化器の酸性環境で生存・増殖するために高い耐酸性を有するが、詳細な分子機構は解明されていない。これらの細菌では酸性環境において F 型プロトン輸送 ATPase(F-ATPase)の発現量が増加していることが明らかになった。そこで、本研究では、S. mutansS. anginosus の耐酸性に F-ATPase が寄与していると考え、同酵素の遺伝子変異・欠損株を作製し、耐酸性への影響を検討した。

 S. mutansS. anginosus において F-ATPase の触媒中心を担っているβサブユニットの変異・欠損株を作製し、野生株と増殖速度を比較した。中性(pH7.4)の培地では野生株とF-ATPase変異・欠損株の増殖に大きな差は見られなかったが、酢酸により pH を 5.3 に低下させた培地では変異・欠損株の増殖速度が顕著に低下した。さらに、低 pH 条件下における菌の生存率を検討したところ、野生株はpH4.3付近まで生存するのに対し、変異・欠損株は同じ pH での生存率が大きく減少した。一方、中性の培地での生存率には差が見られなかった。加えて、F-ATPase 阻害剤であるデメトキシクルクミンも、低 pH の条件下で選択的に S. mutansS. anginosus の増殖・生存率を低下させた。以上の結果から、これらの細菌において F-ATPase は、プロトンを細胞外へ排出することにより、耐酸性の発現に重要な役割を果たしていることが示唆された。同酵素は、S. mutansS. anginosus に起因する疾患の予防・治療薬の標的分子になり得ると考えられる。

■研究発表(学会)

  1. 關谷瑞樹、村松美音、山口友聖、下山佑、石河太知、古玉芳豊、佐々木実、中西(松井)真弓.  口腔レンサ球菌 Streptococcus anginosus のプロトン輸送 ATPase による耐酸性発現メカニズム.  日本薬学会第142年会、2022年3月、オンライン
  2. 關谷瑞樹、山口友聖、村松美音、高坂未星、村上幸汰、下山佑、石河太知、古玉芳豊、河野貴久子、矢野志緒、佐々木実、中西(松井)真弓.  Streptococcus anginosus F型プロトン輸送 ATPase の酸性環境における役割.   第94回日本生化学会大会、2021年11月、オンライン
  3. 關谷瑞樹、村上幸汰、高坂未星、松元奈緒美、下山佑、石河太知、河野喜久子、矢野志緒、佐々木実、中西(松井)真弓.  アンギノーサスレンサ球菌の酸性環境におけるプロトン輸送ATPaseの役割.  日本薬学会第140年会、2020年3月、オンライン
  4. 關谷瑞樹、高坂未星、矢野志緒、河野喜久子、佐々木実、中西(松井)真弓.  Streptococcus anginosus の酸性環境におけるプロトン輸送ATPaseの役割.  第92回日本生化学会大会、2019年9月、横浜

■研究発表(論文)

  1. Sekiya M.  Proton pumping ATPases: rotational catalysis, physiological roles in oral pathogenic bacteria, and inhibitors:Biological and Pharmaceutical Bulletin (2022) 45, 1404-1411

令和5年度個人研究概要

メチル化短鎖二本鎖ヌクレオチド(デコイ)の有用性の確立

微生物学講座 分子微生物学分野  三浦 利貴

生体内における遺伝子発現は、恒常的な発現の他に生体内外の物質により誘導されるものもある。近年、この遺伝子発現誘導の応答性には個人差があることが明らかとなってきた。この個人差の背景にはDNAメチル化をはじめとするエピジェネティクスが関与している可能性が示唆されているが、その詳細な機序は明らかとなっていない。

本研究では、短鎖二本鎖DNAを囮(デコイ)として細胞内に導入する手法を応用した新規解析方法の確立を試みる。デコイは標的転写因子の認識配列と相同配列を有する短鎖二本鎖DNAであり、細胞内で標的因子を捕捉することで従来の遺伝子発現へ影響を及ぼすものである。本研究では、このデコイ中の塩基配列上にDNAメチル化を修飾することにより、転写因子との親和性の変化とそれによる遺伝子発現誘導の応答性の変化を解析する。従来のDNA脱メチル化剤を用いた解析手法では、非特異的な脱メチル化効果により下流の遺伝子発現に影響を及ぼすピンポイントな解析が困難であった。今回用いるメチル化デコイは、転写調節因子の認識配列と相同配列を有しており、より特異的にDNAメチル化の影響を解析することができるツールとなることが期待される。

同時に、デコイは近年、核酸医薬品として注目が高まっている。例えば、NF-kBを捕捉するデコイは、その下流のシグナルを抑制することで炎症などを抑制し、アトピー性皮膚炎や椎間板変性症などの新規治療薬としての開発がすすめられている。メチル化DNAを認識する転写因子の中には、がんの悪性化に寄与するものも存在する。今回用いるメチル化デコイがこれらを特異的に認識することが可能となれば、がん抑制の新規核酸医薬品となる可能性が期待される。

※五十音順に掲載しています。


口腔内病原性細菌のプロトン輸送ATPaseを標的とした創薬アプローチ

生物薬学講座 機能生化学分野

   關谷 瑞樹

生物薬学講座 機能生化学分野

   中西 真弓

生物薬学講座 機能生化学分野

  後藤 奈緒美

微生物学講座 分子微生物学分野

   佐々木 実

■研究成果要旨

 S. mutansS. anginosusなどの口腔内病原性細菌の感染は、齲蝕や歯肉膿瘍などの局所の感染症を引き起こすだけでなく、近年心内膜炎や食道がんのような全身性の疾患の発症にも関与することが指摘されている。同菌は歯垢や上部消化器の酸性環境で生存・増殖するために高い耐酸性を有するが、詳細な分子機構は解明されていない。これらの細菌では酸性環境において F 型プロトン輸送 ATPase(F-ATPase)の発現量が増加していることが明らかになった。そこで、本研究では、S. mutansS. anginosus の耐酸性に F-ATPase が寄与していると考え、同酵素の遺伝子変異・欠損株を作製し、耐酸性への影響を検討した。

 S. mutansS. anginosus において F-ATPase の触媒中心を担っているβサブユニットの変異・欠損株を作製し、野生株と増殖速度を比較した。中性(pH7.4)の培地では野生株とF-ATPase変異・欠損株の増殖に大きな差は見られなかったが、酢酸により pH を 5.3 に低下させた培地では変異・欠損株の増殖速度が顕著に低下した。さらに、低 pH 条件下における菌の生存率を検討したところ、野生株はpH4.3付近まで生存するのに対し、変異・欠損株は同じ pH での生存率が大きく減少した。一方、中性の培地での生存率には差が見られなかった。加えて、F-ATPase 阻害剤であるデメトキシクルクミンも、低 pH の条件下で選択的に S. mutansS. anginosus の増殖・生存率を低下させた。以上の結果から、これらの細菌において F-ATPase は、プロトンを細胞外へ排出することにより、耐酸性の発現に重要な役割を果たしていることが示唆された。同酵素は、S. mutansS. anginosus に起因する疾患の予防・治療薬の標的分子になり得ると考えられる。

■研究発表(学会)

  1. 關谷瑞樹、村松美音、山口友聖、下山佑、石河太知、古玉芳豊、佐々木実、中西(松井)真弓.  口腔レンサ球菌 Streptococcus anginosus のプロトン輸送 ATPase による耐酸性発現メカニズム.  日本薬学会第142年会、2022年3月、オンライン
  2. 關谷瑞樹、山口友聖、村松美音、高坂未星、村上幸汰、下山佑、石河太知、古玉芳豊、河野貴久子、矢野志緒、佐々木実、中西(松井)真弓.  Streptococcus anginosus F型プロトン輸送 ATPase の酸性環境における役割.   第94回日本生化学会大会、2021年11月、オンライン
  3. 關谷瑞樹、村上幸汰、高坂未星、松元奈緒美、下山佑、石河太知、河野喜久子、矢野志緒、佐々木実、中西(松井)真弓.  アンギノーサスレンサ球菌の酸性環境におけるプロトン輸送ATPaseの役割.  日本薬学会第140年会、2020年3月、オンライン
  4. 關谷瑞樹、高坂未星、矢野志緒、河野喜久子、佐々木実、中西(松井)真弓.  Streptococcus anginosus の酸性環境におけるプロトン輸送ATPaseの役割.  第92回日本生化学会大会、2019年9月、横浜

■研究発表(論文)

  1. Sekiya M.  Proton pumping ATPases: rotational catalysis, physiological roles in oral pathogenic bacteria, and inhibitors:Biological and Pharmaceutical Bulletin (2022) 45, 1404-1411

メチル化短鎖二本鎖ヌクレオチド(デコイ)の有用性の確立

微生物学講座 分子微生物学分野  三浦 利貴

生体内における遺伝子発現は、恒常的な発現の他に生体内外の物質により誘導されるものもある。近年、この遺伝子発現誘導の応答性には個人差があることが明らかとなってきた。この個人差の背景にはDNAメチル化をはじめとするエピジェネティクスが関与している可能性が示唆されているが、その詳細な機序は明らかとなっていない。

本研究では、短鎖二本鎖DNAを囮(デコイ)として細胞内に導入する手法を応用した新規解析方法の確立を試みる。デコイは標的転写因子の認識配列と相同配列を有する短鎖二本鎖DNAであり、細胞内で標的因子を捕捉することで従来の遺伝子発現へ影響を及ぼすものである。本研究では、このデコイ中の塩基配列上にDNAメチル化を修飾することにより、転写因子との親和性の変化とそれによる遺伝子発現誘導の応答性の変化を解析する。従来のDNA脱メチル化剤を用いた解析手法では、非特異的な脱メチル化効果により下流の遺伝子発現に影響を及ぼすピンポイントな解析が困難であった。今回用いるメチル化デコイは、転写調節因子の認識配列と相同配列を有しており、より特異的にDNAメチル化の影響を解析することができるツールとなることが期待される。

同時に、デコイは近年、核酸医薬品として注目が高まっている。例えば、NF-kBを捕捉するデコイは、その下流のシグナルを抑制することで炎症などを抑制し、アトピー性皮膚炎や椎間板変性症などの新規治療薬としての開発がすすめられている。メチル化DNAを認識する転写因子の中には、がんの悪性化に寄与するものも存在する。今回用いるメチル化デコイがこれらを特異的に認識することが可能となれば、がん抑制の新規核酸医薬品となる可能性が期待される。

準備中です。

父兄懇談会開催

6月10日、4年ぶりに父兄懇談会が開催されました。

場所はいつもの盛岡グランドホテルです。

医・歯学部の4, 5, 6年生のご父兄が対象でした。

各地から多くの保護者の方にお集まり頂きました。出席者は、医学部87名、歯学部は34名の学生さんの保護者の方々でした。

薬学部、看護学部は7月1日に矢巾キャンパスの大堀講堂で開催予定です。

飲食を伴う懇親会は、感染拡大防止の観点から見送りでした(ウーン、残念?)


祖父江憲治学長のご挨拶で、懇談会がはじまりました。

天候不順の中、遠路遙々お越し頂いた保護者の方に謝辞を述べられ、コロナ禍の3年半を振り返えって、

コロナウイルス感染が大蔓延し、学長先生自らが危機管理委員会のトップを務め、

  • 情報発信と対策を継続したこと、
  • 学業への影響を最小限にとどめるため、極力対面の授業、実習を実施したこと、
  • それでも感染が拡大した際には、web授業への切り替えをスムーズにできるように、学習環境の整備をいち早く行ったこと、

などをご紹介頂きました。

何よりも、もの凄く不自由な環境で勉学を継続した学生諸君の頑張りを讃えておられました。


その後、医学部、歯学部に分かれて、懇談会を継続しました。

医学部の司会は、父兄会会長の伊藤欣司先生です。

司会の先生から、懇談会の話題の中心は、以下の2点であることが示されました。

①国家試験合格率、進級・卒業率の現状と、さらなる向上のための対策。

②共用試験(CBT/OSCE)の公的化に対する対応。

佐々木真理医学部長から、第117回医師国家試験について

  • 問題が難化したにも関わらず、合格ラインの正答率は75%近くまで上昇した。
  • 新卒合格率は、昨年の96%から91%と低下した。
  • 一方で、6年生の留年者が減り、国家試験の受験率が昨年の93%から98%と上昇した。
  • 対出願者合格率では、昨年の89%と変わらなかった。

などについて、スライドを使って丁寧な説明がありました。

医学部高学年では、国試合格率の向上と進級卒業率の向上の両立を目指して、

  1. 予備校と連携した対策講義・模試の実施
  2. 学習支援の充実
  3. 卒業試験の最適化

などに取り組んできた結果、

一時期の低迷から脱却し、全国の**私立医科大学の出願者合格率の平均90%**に近づいてきたことが示されました。

一方で、ストレートで卒業された学生さんの合格率は97%と非常に高いものの、留年経験者の合格率が60%と低迷していることが示され、低学年からの学習支援の強化に継続して取り組んでいく決意を述べられました。

また、共用試験(CBT/OSCE)の公的化に対する対応については、医療法の改定措置によって、

  1. CBTの合格基準の見直しによる大幅な平易化(IRT 450⇒396)
  2. OSCEの難化

が予測されることの説明がありました。

結果として、①知識不足のまま臨床実習に入り成績の伸び悩む学生が増えてしまう②客観的臨床能力試験(OSCE)で留年する学生が増えてしまう、の2点の課題があるとの見解を示されました。

対策として、①IRT 500以上を目指したCBT対策の継続、②臨床実習期間中の成績低迷者を対象した学習支援プログラムの新設、③基本的臨床技能実習(4M)/ 高次臨床実習(6M)の充実・強化を図る、

の3点を示して頂きました。これ以外にも、

  • 教務体制のさらなる強化
  • 臨床実習と国試対策の両立
  • 進級・卒業判定のさらなる適正化
  • 成績不振者・留年者の学習支援体制の強化
  • 生活指導・支援の強化について、説明がありました。

また、医学部懇談会では以下の各先生方から、夫々のテーマで説明がありました。

  • 平 英一 教務委員長から「医学部カリキュラム」
  • 下沖 収 臨床研修副センター長から「臨床研修医制度と本学臨床研修プログラム」
  • 古山和道 学生部長から「学生生活」
  • 石垣 泰 健康管理センター長から「学生の健康管理」

歯学部懇談会では、冒頭、三浦廣行学部長・副学長から

歯学部開設以来、4120名の入学者において、「本学の卒業率も国家試験合格率も、全国的にみても極めて高い」ことが示されました。

  • 卒業率は93.4%であり、
  • 卒業生の98.6%が国家試験に合格している。

そして、岩手医科大学歯学部の卒業生は、

「人柄もよく、技術的にも優れているし、安心して一緒に仕事できる」など、各地で高い評価を受けている。

国家試験の成績も重要だが、「学生時代にどのような歯科医師になって欲しいかということを意識しながら、教育している」との説明がありました。

改革プロジェクトのもと、①Society/ Tutor制度、②グループ学習、③Society roomの整備(学習環境確保)、④診療参加型実習を推進するための外来再編成、⑤5年生から6年生へのシームレスな学習支援体制の整備、⑥継続的な卒業試験・判定の適正化など、多岐にわたる取り組みの成果が現れているのだと思います。

なにより、「学生・教員が密にコンタクトを行える環境作りを心掛けている」ことを強調されていました。

第116回医師国家試験については、

新卒合格率は83.3%で、平成30年度の第111回国家試験からのV字復活基調が継続してることが示されました。

この新卒合格率については、

  • 私立医科大学17校中、5位。
  • 全国29校中、8位。
  • 不合格者の4名の中にも大変惜しい学生がいて、たった1問に泣いてしまった。
  • 今般の歯科医師国家試験の合格率が80%を切る状勢を鑑みると、健闘してるのではないか。

一方で、

  • 合格者の成績も、多くの学生が合格ボーダーライン付近にいること、
  • 必修領域の試験で失敗する学生が多いこと、
  • 低学年を含めた留年者・自主退学者への対応が問題となっていること、

についても真摯にご説明下さり、保護者の方々には「ご子息を誉めて伸ばす極意」を示されました。

この後、八重柏隆教授にバトンタッチされ、CBT対策の説明が続けられました。

  • CBTの成績とストレート進級、卒業試験、国家試験の成績には強い相関があること。
  • CBTで失敗しないためには、規則正しい生活をおくり、「やればできる(自信)」「実際にできた!(経験)」「必ず歯科医師になるぞ!(覚悟, 意気込み)」が大事であることを、お示しいただきました。

三浦先生、八重柏先生のご発表の後、質疑が行われ保護者の方との有意義な意見交換が交わされました。

また、歯学部懇談会では以下の各先生方から、夫々のテーマで説明がありました。

  • 岸 光男 教務委員長から「歯学部カリキュラム」
  • 小林琢也 歯科医療センター副センター長から「卒後臨床研修」
  • 八重柏隆 歯学部学生部長から「学生生活」
  • 石垣 泰 健康管理センター長から「学生の健康管理」

(追:薬学部、看護学部 父兄懇談会開催も開催)

7月1日、矢巾キャンパスで薬学部、看護学部の父兄会も開催されいます。

大堀記念講堂講堂で全体懇談会が行われました。

祖父江憲治学長 、伊藤欣司父兄会長の御挨拶の後、薬学部は大堀記念講堂、看護学部は西講義棟1階の1-A講義室に分かれて学部の先生方との交流を深めました。

まず、河野富一薬学部長から、第108回薬剤師国家試験結果について報告がありました。

今年度の新卒合格率は85.7%であり、3年連続で全国平均を上回り引き続き高い水準を維持出しました。

既に1178名もの薬剤師を誕生させています。

この数字は東北地区に限って見れば第二位であり、本学の地域医療、福祉への貢献を示すものであります。

卒後の就職状況も好調で、現場で働き始めた卒業生に対する職場からの評価も良好であることが報告されました。キャリア支援活動が円滑に行われていることの表れだ思います。

さらに河野先生からは、6年間を通してのカリキュラムの説明があり、特に卒業・国試合格を見据えた高学年での学習・実習に対する心構えについて、丁寧な説明がありました。

また、健康管理センターから「学生の健康管理」についての説明がありました。


三浦幸枝看護学部部長からも、国家試験の成績について説明がありました。

第112回看護師国家試験 新卒合格率100% (全国95.5%)、既卒を含めても全体100%でした。

保健師、助産師に関しては、
第109回保健師国家試験 新卒100% (全国96.8%)
第106回助産師国家試験 新卒90% (全国95.9%)
といずれも高い合格率でした。

看護学部のカリキュラムは、
①4学部との多職種連携教育、
②附属病院を中心に行う臨床実習、
③本学専任教員の全面的な協力、
④1年次からの地域看護学習、
⑤保健師、助産師受験をしない学生にも養成課程の講義を受講できる
などの特徴があります。

また、学資の面でのサポートも充実しており、本学独自の奨学金制度についても説明がありました。

他にも、健康管理センターから「学生の健康管理」についての説明がありました。

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